一般には、昭和60年ごろからの土地投機は昭和62年8月にそのピークに達したといわれる。その時点での全国銀行の不動産融資残高は32兆6900億円に達している。またその間の融資の増加は約15兆6000億円になる。しかし実際には、これよりもかなり多くの資金がさまざまな形で土地やマンションの投機的資金として流入している。その1つは、各銀行系列の信販会社やリース会社、不動産専門の融資会社を通じた間接的な不動産業者等への融資である。これらには生命保険会。社もかなり貸し込んでいる。これは金融統計上サービス業への貸し付けに分類される。もう1つは、個人への不動産融資である。これは主に、マンション等の投機的購入や相続税対策のための不動産投資に向けられた。これは金融統計上個人貸付部門に属する。この3部門への融資の増加ぶりは、全産業部門における全国銀行の貸出残高の推移をみるとよくわかる。昭和60年の秋に円高が始まったあと、主要7業種と個人部門のうち、不動産業への融資が最も伸びているが、サービス業、個人部門も大きく伸びており、その他は特に大きく変化していない。目立つ変化は製造業への融資がむしろマイナスになった点である。もとより、サービス業と個人部門への融資は、すべてが不動産部門に振り向けられているわけではない。信販会社などの不動産部門への融資は全体のほぼ20%前後と推定される。個人部門は実は、つまり実際に住むための住宅建設への融資との区別が把握できないから、投機的資金の割合を具体的に割り出すことは難しいが、10%前後と仮定しておく。
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