燃えないものの代表は、石こうボードです。極端にいえば、石こうボードの入れ子の箱のすきまに、木の骨組を入れたようなものです。これなら木もおいそれとは燃えません。こうしてしまうと、完成した建物では木はどこにも見えません。耐震・耐火と防火という性能が確保されていればいい人には、骨が木であろうが鉄であろうがコンクリートであろうが、かまわないでしょう。しかし木造ファンにはおもしろくありません。「柱の傷はおとどしの……」と童謡にあるような柱は傷つけようにも見あたりません。
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とくに数寄屋風の家を木造建築の理想としている人から見れば、これはもはや木造ではありません。まさに石こうボードの箱です。日本の木造建築のすばらしさのひとつは、柱という構造材(軸組を構成する材)が化粧材(飾りの材)も兼ねるところにあるからです。わたし自身は、数寄屋風はとうぜん木造だし、石こうボードでおおわれていても、骨が木造なら木造だと思うのですが、人それぞれに木造建築の見方がちがうことも、意識しないわけにはいきません。